死と乙女(シューベルト)第1楽章のテンポ感

シューベルト作曲の「死と乙女」の1楽章をアンサンブルで練習し始めました。これまでも弦楽四重奏の室内楽曲を合わせてはきたが、これまで取り組んできたモーツアルトやメンデルスゾーンの曲よりも各パートの立体的な交差が求められていて、難しいように思う。

元の歌曲が引用されているのは第2楽章のようだが、第1楽章でも十分に死が迫っているように感じる。激しく追い立てるような最初の主題の話です。

それに対してやや横向きに伸びやかな旋律のふたつめの主題。こちらは「死」という恐ろしい概念に対して、情緒的、人間的なフレーズです。しかしその旋律とともに常に細かく一定のリズムが他のパートにより刻まれ、さらにそのリズムは16分音符の連続に変化して激しくなっていくことに注目すべきだと思います。手放しで美しく牧歌的な局面ではないということです。

本題ですが、この各主題の登場する箇所のテンポ感です。初合わせの時には
・はじめの主題のテンポはもっと速くして追い立てるような表現にしたいんだがなぁ
・ふたつめの主題のところはなんだかせわしなくなっちゃってるなぁ
と思っていたんですが、前述の考え方で整理するならテンポ表現をそれぞれ分けて、適切にある程度シームレスにテンポを繋ぐように構成するのが良いと思い至りました。

テンポの考え方と言っていますが、そもそも拍の取り方の話だと思っています。はじめの主題はこうですが、

ここは4/4拍子で書かれているものの、2拍で取る方がイメージに合うように思います。それが成り立つテンポにしたい、ということです。

一方でふたつめの主題は次のようになりますが、

ここは記譜通りの4拍子を感じながら演奏するのが適切だと感じます。

テンポと拍子の感じ方は強く関係がありますが、テンポコントロールをどうしたいかというだけではなく、この拍の感じ方を大事にしたいと考えています。